■大手訪問介護事業者の虚偽申請問題の発端
今回のコムスンを筆頭とした大手訪問介護事業者の虚偽申請問題についての概略は下記のようになります。
厚生労働省は全国展開する訪問介護事業者について、虚偽の指定申請を行っていないか一斉に監査するよう全都道府県に6月10日付けで通知をします。
このような一斉監査を全都道府県に通知することとなった経緯としては、「コムスン・ニチイ学館・ジャパンケアサービス」の大手3社が東京都から業務改善勧告を受けたことから問題が表面化したのでした。
特に今回コムスンが法令違反の疑いも含めて大きく取り上げられているのは、コムスン側の悪質な虚偽申請の疑いがあったことと、その処分逃れと思われる対策を次々と打ち出したことにあります。
東京都福祉保健局の梶原秀起・指導監査部長は、業務改善勧告を公表した10日の記者会見で、「コムスンに対する苦情は、都には大変たくさん来ている」と公表しました。
東京都福祉保健局によると「事業所に電話をしたが、いっこうに連絡がつかない」といった相談が同社に対してのものが目立って多く事態を重く受け止めているようであります。
コムスンが訪問介護事業所3か所において、東京都の事業所指定を不正に取得するなどしていた問題で、都の監査対象となった同社の都内186事業所のうち約150箇所にてヘルパー不足や介護報酬の過大請求などの問題点を都から指摘されていたことが判明したそうです。
東京都は管理者の不在など介護保険法違反が明らかな16か所に対し業務改善勧告し、6月30日までに是正・報告するよう指導しました。
介護保険の対象外のサービスについて介護報酬を請求したり、訪問介護計画を作成していなかったりした147か所に対しては、文書で介護報酬の一部返還などを求めたのでした。
■次々に明るみにとなるコムスンの実態
そうした中で東京都に続いて岡山・青森・神戸など5都県8日以後事業所でも虚偽申請の疑いが続々と見つかり始めたのでした。
・岡山県:訪問看護ステーション岡山が、実際に勤務していない看護職員を常勤として偽って申請し、介護事業所の県指定を不正に受けていた
・青森県:青森県弘前市の「弘前城東ケアセンター」が勤務していない訪問介護員を勤務しているかのように虚偽申請し、介護事業所の指定を不正取得していたことがわかった。
・神戸市:神戸市兵庫区の「コムスン湊川公園ケアセンター」で申請とは異なり管理者が常勤していなかった。
などであります。
しかも、虚偽の疑いが持たれたコムスンの事業所の対応方法が事業所の廃止届けという処分逃れと思わしき対策だったのです。
介護事業所の県指定を不正に受けていた事業所に対し各県では指定取り消し処分に向け準備を進めていたのですが、コムスンは事業所に廃止届を提出し自主廃業という形にして指定取り消しによる処分逃れとも取れる対応を続けていたのでした。
そうした背景を受けて厚生労働省は6月6日、グッドウィル・グループ の介護子会社コムスンに対し、新規事業指定と6年ごとに行われる指定の更新を行わないことを各都道府県に通知したのでした。
これにより来年4月以降2011年度までに約1600カ所の事業所の更新期限が来るのですが、これらの更新は行われないことになるのですから大変なことです。
■グッドウィルグループの驚くべき対策
そんな状況の中でコムスンの親会社であるグッドウィルグループが打ち出した対応策がまたまた大きな火種となります。
グッドウィルグループはコムスンに対する厚生労働省の行政処分を受け、同社の全事業を有料老人ホーム運営のグループ会社「日本シルバーサービス」に譲渡することを決めたと発表したのでした。
グッドウィルグループによると、約6.5万人に上る顧客へのサービス継続と約2万4000人の従業員の雇用確保が狙いであるということでした。
しかし、コムスン譲渡方針については多くの自治体が一斉に反発をしたこともあり、厚労省はコムスン社長に事情聴取を行ったのでありました。
その結果、厚生労働省としては「譲渡では国民の理解を得られない」ことや、都道府県の指定取り消し処分直前に廃業届を出していたことなど脱法的行為とおぼしき行為があったことから「譲渡方針凍結」という指導をすることとなったのでした。
続報については継続して更新していきます。